追記 2015年11月:EnOceanに特化したIoTサービスを提供中です。
現在、EnOceanに特化したIoTサービスを提供しています。
FHEMもいいですが、当社IoTサービスの SaaSプランもぜひご確認ください。
2015年5月の本記事は以下になります。
エネルギーハーベストを使用したバッテリーレスのワイヤレスセンサー「EnOcean」製品を試してみました。
「EnOcean」はヨーロッパで広く使われている自己発電型のセンサー技術です。日本では重要文化財など、電源やネットワークケーブル用の配線工事が難しい箇所への導入実績があるようですが、詳細情報はまだまだ少ない状態です。ですが、EnOceanの仕様に合致するような要件であれば、とても有用で面白い技術です。
今回、Raspberry Pi と EnOcean 製品を使ってホームオートメーション用サーバ環境(FHEM)を構築しました。簡単ではございますが、そのご紹介となります。
利用したものは以下です。
- Raspberry Pi 2 Model B
- EnOcean USB400J(USBドングル)
- EnOcean STM429J(ドアや窓の開閉状態を検知できるマグネットコンタクトモジュール)
- EnOcean EOSWJ(人感センサー)
- FHEM(ホームオートメーション用Perlソフトウェア)
ハードウェアは以下のようになります。
ハード的には、センサー側の配線(電源、ネットワーク)が不要、かつ、センサー自体と無線通信が自己発電型(今回の試作はソーラーパネル版)である事が一番の特徴となります。
センサーの状態を確認できるホームオートメーション用サーバソフトウェアとして「FHEM」を使いました。画面は以下のような感じです。
マグネットコンタクトモジュール「STM429J」は様々な使い方ができますが、ドアや窓の開閉状態を検知する事もできます。上の画像で「Door」となっている部分が該当します。
今回は引き戸(ドア)の開閉状態を検知できるようにしてみました。
引き戸が閉じている時の写真は以下です。マグネットコンタクトはとても軽いので、両面テープなどでも取り付けできます。
上記写真の引き戸が閉じている時のFHEM画面(Web画面)は以下になります。赤丸の箇所はドアが閉じている画像を設定しています。なお、FHEM画面のアイコンなどは容易に変更できます。
では、次に引き戸(ドア)を開けている場合を見てみます。
以下の写真は引き戸を少し開けています。マグネット(右側)が扉に付けてあります。センサー(左側)は柱に付けてあります。センサーとマグネットが離れた状態(引き戸が開いている状態)です。
その際のFHEM画面(Web画面)は以下になります。設定したアイコンが分かり難いかもしれませんが、赤丸のアイコンは、ドアが開いているアイコンになります。
引き戸(ドア)を開閉したタイミングで、即座にFHEM画面(Web画面)にも状態が反映されます。
以上、ピックアップになりますが、Raspberry Pi と EnOcean、FHEM の導入例となります。
今回はお手軽にEnOceanを試用する為に、Raspberry Pi と USB400J、FHEM を使いましたが、Raspberry Pi と FHEM は製品の位置付け的に企業ユースは難しいかと思います。
手元にArmadillo-IoTとEnOceanアドオンモジュールを用意してあるので、別途新たな仕組みを試していく予定です。ご興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。